【再現性の高いカットと下積み時代】

 

私にカットを教えてくれた師匠は

ともかく技術を教えてくれない人でした

しかも全く褒めてくれない方でした

師匠は東京に本部がある美容室からの転勤先として

たまたま静岡にいました

 

「静岡にはカットが下手な奴しかいない」

 

が口癖でした

 

おじさんにして、毎月200〜250人をカットしていましたから

その言葉にも納得がいっていました

 

 

当時はカットへの第一歩は

ボブのトレーニングから始める時代でしたから

来る日も来る日もボブを切り続けました

 

そんなある日の夜、師匠が言いました

 

「お前、平行感覚がないんじゃないか!」

 

悔しかったことは今でも覚えていますが

その時、私は26歳でしたから一度は辞めた美容師を

もう辞めるわけにはいかず、ただ、ただ

やるだけでした

 

そんな中途半端な気持ちでやっていた当時の私が

なぜやり切れたのか?

 

 

 

きっとこの人に

 

「よし!」

 

と言わせたいという意地だけでやっていたんだと思います

 

そんな中、師匠は私に一年間ボブの練習だけをさせ続けました

それは野球をやりたくて

入部したのに素振りしかやらせてもらえないような

ものでした

 

「見てください、お願いします」

 

とカットした人形を持っていくと

 

「もっと、舐めるようにカットしろ」

 

「もっと丁寧にボブは切るんだよ!」

 

「仕事とはそんなもんじゃない」

 

と何度も言われました

 

抽象的なことばかりを言われるだけで

いつもムカついていましたが、

基本を自分のものに出来たのは

この時代があったからだと思います

 

だからボブをいう髪型を心底理解できましたし

私の得意技になっていることは間違いありません

 

一つの仕事を全うするということは大変なことです

 

他店の美容師がカットした切り口を見て

愕然とすることがほとんどです

 

そんな時に思うのです

 

これは美容師のした仕事ではないなと

素人のやることだと

 

ボブという髪型は丈設定、グラデーション(層)の幅のみが

デザインの良し悪しを決めてしまう

シンプルなだけに腕が問われる髪型ですし

本当の意味での【再現性】が問われます

 

よく美容師がこんなことを言います

 

「ボブは肩に触れる長さだとハネる」

 

決してそんなことはありません、

企業秘密的なことですから大きくは触れませんが‥‥

 

またこんなことをも言います

 

「内側の髪を短くすると内巻きになる」

 

そんなことはありえません、むしろ髪が伸びるにしたがいハネます。

しかも確実に。

 

もう一度言いますが

一つの仕事を全うするということは大変なことです

 

私は幸いにも静岡に居ながらにして一流の技術を

身につけることが出来ました

 

カットの再現性とは情熱や一生懸命にやれば

高まるものでもありません

 

それが証拠に世の中の美容師さんは

丁寧に頑張ってやっていますが、

あなたの髪型の再現性はどうでしょうか

 

髪の流れを読み‥‥髪質を見極め‥‥計算し‥‥

そんなんことは当たり前のことであって出来て当然です

 

では再現性とは何と直結するのか?

 

 

 

それは髪を操れるだけの修行の質と経験の時間です

 

修行とはカットでの再現率を高めるための

理論であったり、技法を習得する時間であり

経験とはそれらを体感する絶対的な数です

 

カットの再現性、カットの持続力とは

一朝一夕では出来ないことなんです

 

 

最近になって心から思います

厳しい人だったけど

あの師匠の下で学べて幸せだったなと

ボブをカットする時にたまに思い出します

 

そしてあの言葉が脳裏を過ぎるのです

 

「もっと、舐めるようにカットしろ」

 

師匠が他界されて1年が経とうとしています

 

『私は再現性のあるカットをやっていますよ』

 

そう心で呟く今日この頃です

 

 

 

 

 

 

【40代女子が感じる美容室の品質の巻】

40代の女性を『40代女子』と呼ぶようになって

どのくらいの時間が経つのかわかりませんが

40代であっても気持ちは女の子なのですよ

という表現なんでしょうね

 

ですが、女子といっても子供ではない…

40代女子はモノの良し悪しの判断力、先見の目は

確かなものかと日々の美容師という

立場を通して感じます

 

先日もこんな会話がありました(40代専業主婦)

某衣服メーカーの品質が最近落ちたと感じる

「毎年ユ〇〇ロの〇〇ースを買っているけど

生地が薄くなってる」

 

もはやどのような製品も

コストダウンが当たり前の世の中

 

 

価格は同じなのに…

餃子の大きさが小さくなった

価格は上がったのに…

モデルチェンジ前の車の方がしっかりしていた

価格は上がったのに…

故障が多くなった掃除機

私が日常感じることです

 

では美容界ではどうか?

  • 品質(髪型のクオリティ)はここ15年ほどで低下
  • サービスなどのソフト面は向上
  • 価格は低下し続けている

あなたなら、この状況どう分析しますか?

値段は安いのにサービスは充実している

だけど肝心の髪型はイマイチ!

こういった現状が続くと

『美容室なんてこんなもん…』

となってしまう

だから期待もしないし、期待度が高い人は

東京とかにいってしまう

 

美容室が提供する商品とは

美容室での快適な時間

あなたが日常を気持ちよく過ごせるヘアスタイル

そこを高めることが美容室の品質なのです

 

40代女性達は多くの経験を糧に

良質な情報をお持ちです

今一度、美容室に美容師に的確なジャッチを下し

ご判断ください