『髪短くなりすぎた』

私の故郷である

高山市を離れ

20年以上の時間が経つ

すっかりなまりも取れ

都会人ぶっている私に

一本の電話が‥‥

 

「髪をみじこうされてまって、はんちくたいさ!!!」

(飛騨弁)(訳・髪を短くされ腹が立つ)

 

 

妹からだった‥‥

 

髪が短くなったのは

私にはどうしょうもない

だって静岡にいるんだから

 

そんな時に思った

はんちくたいさ

と言う言葉を久しぶりに

耳にしたなと…

と同時に思い出した

 

・髪がとかじる

・せぇーせぇーしたい

 

静岡市にきて少し考えないと

わからなかったオーダーだったが

今では日常的に使っている

 

方言に限らず言葉には

微妙なニュアンスがある

 

「短くして」

 

にも様々な思いが込められている

 

よく思うことに

お客様は素人なのだから

自由に髪のオーダーを

して欲しいと

だから私は絶対に

専門用語を使わないと

心に決めている

 

高校生の時に美容室で

 

「グラデーションでいいね?」

 

と聞かれ、訳が分からず

 

「うん」

 

と答えた為に意図しない髪型に

なった事がある

 

 

美容師として20年以上経ったが

経験に溺れる事なく

真摯にお客様の言葉に

向き合うべきたと思う

今日この頃だ

 

『はんちくたいさ!』

 

なんて思わせてはいけない